経済産業省がECサイト運営のガイドラインとする「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」の概要を以下に掲載します。
【論点】
ライセンス契約の条項中、不当なものとして無効と解せられるようなものはどのようなものがあるか?
契約内容は原則として自由に決めることができるものですが、民法90条(公序良俗違反)、消費者契約法第8条~10条(不当条項の禁止)、独占禁止法(競争制限)、著作権法などに抵触する契約条項を設けた場合は、その部分は無効として扱われることがあります。
以下に、ライセンス契約の中で無効とされる可能性がある条項の例を挙げます。ただし、取引の事態や他の契約条項とのバランスも考慮されるので、以下に挙げる例がそのまま全て無効と判断されるわけではありません。
<民法90条(公序良俗違反)とされる契約内容の例>
・ベンダーの契約解除条件を著しく有利とする条項。
・ベンダーが支払う損害賠償金額を著しく低く抑える条項。
<消費者契約法に違反する契約内容の例>
・バグについて一切責任を負わないとする条項。
・バグの補修は全て有償とする条項。
・担保責任期間を著しく短くする条項。
<独占禁止法に違反(競争制限)する契約内容の例>
・競合製品の使用を禁止することにより、市場の公正競争を阻害する条項。
・リバースエンジニアリングを禁止することにより、市場の公正競争を阻害する条項。
※プラットフォーム型のソフトウェアはリバースエンジニアリングを認める必要があるとされていますが、汎用性の低い専門特化したソフトウェアについては禁止できるとの解釈もあります。
<著作権法に違反する契約内容の例>
・著作権法で認められた私的複製やバックアップコピーを完全に禁止する条項。