経済産業省がECサイト運営のガイドラインとする「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」の概要を以下に掲載します。
【論点】
一般人の肖像が写り込んだ写真・映像をウェブページで公表する行為は、法律上の問題がないか。写り込んだ肖像が著名人の場合はどうか?
肖像が写り込んだ場合であっても、画像解像度が低い場合やモザイク処理が施されている場合など、それが誰か特定できない場合には肖像権の問題は生じません。しかし、特定が可能な場合には、被写体となった肖像権者がその侵害を受忍すべき範囲内にある場合を除き、肖像権侵害の問題が発生します。
例えば、コンサートの雰囲気を伝えるために観客の肖像を広告利用する必要性は肯定されるものの、コンサート会場を訪れた全ての者が被写体となることを了承する義務も無いので、本人が特定できる肖像を無断で公表した場合には肖像権侵害の問題が生じる可能性が高くなります。
また、私的に撮影した画像や動画に無関係な人の肖像が写り込んでいた場合に、これをホームページ等に公表した場合については、その無関係な人の肖像が画像や動画の従たる存在であると評価できるケースでは受忍すべき範囲である解釈される可能性が高くなります。
著名人の肖像を含んだ画像や映像を公表する場合については、著名人の有する顧客祐引力を利用する場合には、その著名人の有するパブリシティ権を侵害すると考えられます。そのため著名人の肖像を承諾なくホームページの広告等で利用する場合には、パブリシティ権侵害とされる可能性が極めて高くなります。
(パブリシティ権とは、著名人の肖像・氏名等の情報が、これに関連付けられた商品等について顧客誘引力を発揮する場合に、その経済的利益やパブリシティ価値を該当著名人が独占的に支配する権利のこと。)