契約書の遠山行政書士事務所

岐阜県中津川市蛭川2244-2

2-2 他人のホームページにリンクを張る場合の法律上の問題

経済産業省がECサイト運営のガイドラインとする「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」の概要を以下に掲載します。


【論点】
無断で、他人のホームページにリンクを張る場合、リンクを張った者は、法的責任を負うことがあるか?

インターネットにおいて、無償で公開された情報を第三者が利用する場合は、著作権の権利侵害にならない限り、原則として自由とされています。
しかし、リンク先の情報を(a)不正に自らの利益を図る目的により利用した場合、または(b)リンク先に損害を与える目的により利用した場合などでは、不法行為責任を問われる可能性があります。

 

例えば、リンク先の画像などをリンク元のホームページの一部に取り込んで表示するインラインリンクや、リンク先の情報を丸ごとリンク元のホームページ一部に取り込んで表示するフレームリンクなどについては、以下のような問題が生じる可能性があります。

 

(1)民法上の不法行為責任
リンク先とリンク元の関係性が誤認され、リンク先のホームページ運営者の名誉が毀損されたりする場合には、(刑法上の名誉毀損罪のほか)民法上の不法行為責任が生じる可能性があります。

 

(2)不正競争防止法に基づく責任
リンク先の商品表示をリンク元の営業とリンク先の営業とを誤認混同させるようにした場合や、著名な商品等表示を自己の商品等表示として使用した場合には、不正競争行為に該当する可能性が生じます。
また、リンクを張る際に、競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を表示した場合についても同様です。

 

(3)商標法に基づく責任
リンク元のホームページ運営者がリンク先の他人の商標を無断使用した場合には、その商標の出所表示をしたとしても、商標法上の「使用」にあたると解釈される可能性もあり、そのようなケースでは商標権侵害の問題となることもありえます。

 

(4)著作権法に基づく責任
リンク先のホームページの情報を、リンク元のホームページの情報であるかのように表示する場合には、著作者人格権侵害等の著作権法違反の問題が生じる可能性があります。

 

このようなトラブルが頻発している現状を考慮すれば、「無断リンク厳禁」と明示しているホームページにリンクを張る行為は慎重に対応する必要があります。

 

※平成27年4月の準則改訂により、リンクを張る行為が著作権侵害を助長した場合に関連する裁判例について、以下を追記。

 

著作権侵害が行われているウェブサイトにリンクを張る行為について、大阪地裁平成25年6月20日判決(判時2218号112頁)は、リンクを張る行為は公衆送信権侵害に当たらないと判示している。ただし、この判例でも公衆送信権侵害の幇助行為としての不法行為の成否が問題とされている

 

東京地裁平成26年1月17日判決(裁判所ウェブサイト)は、プロバイダ責任制限法上の発信者情報開示との関係で著作権侵害の有無が問題とされた事案であるが、違法にアップロードされた漫画にリンクを張った者のブログでの発言を踏まえて、リンクを張った者が「ダウンロードサーバに本件漫画の電子ファイルをアップロードした者と同一人であると認めるのが相当であり、仮にそうでないとしても、少なくともアップロード者と共同して主体的に原告の公衆送信権を侵害したものである」と認定して発信者情報の開示を認めている。

 

つまり、著作権侵害や名誉毀損など不法行為が明らかであるようなコンテンツに対してリンクを張る行為は、権利侵害の幇助行為とも受け取られる可能性があり、そのような無秩序なリンク生成は慎まなくてはなりません。

「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」(要約)の目次

「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」の改訂経緯

(このガイドラインの意義など)

 

Ⅰ 電子商取引に関する論点


1 オンライン契約の申込みと承諾


  消費者の操作ミスによる錯誤について


  未成年者の意思表示(取消)


2 オンライン契約の内容


3 なりすまし


4 未成年による意思表示


5 インターネット通販における返品


6 ネットショッピングモール運営者の責任


7 インターネット・オークション


8 インターネット上で行われる懸賞企画の取扱い


9 共同購入クーポンをめぐる法律問題について

 

Ⅱ インターネット上の情報の掲示・利用等に関する論点

 

1 CGM(ConsumerGeneratedMedia)サービス提供事業者の違法情報媒介責任


2 他人のホームページにリンクを張る場合の法律上の問題


3 P2Pファイル共有ソフトウェアの提供


4 ウェブ上の広告


5 ドメイン名の不正取得等


6 インターネット上への商品情報の掲示と商標権侵害


7 ID・パスワード等のインターネット上での提供


8 インターネットを通じた個人情報の取得


9 肖像の写り込み


10 インターネットと著作権

 

Ⅲ 情報財の取引等に関する論点


1 ライセンス契約の成立とユーザーの返品等の可否


2 当事者による契約締結行為が存在しないライセンス契約の成立


3 ライセンス契約中の不当条項


4 ライセンス契約の終了


5 ベンダーが負うプログラムの担保責任


6 SaaS・ASPのためのSLA(ServiceLevelAgreement)


7 ソフトウェアの使用許諾が及ぶ人的範囲


8 ユーザーの知的財産権譲受人への対抗


9 ソフトウェア特許権の行使と権利濫用


10 使用機能、使用期間が制限されたソフトウェアの制限の解除方法を提供した場合の責任


11 データベースから取り出された情報・データの扱い


12 デジタルコンテンツのインターネット提供の法律問題(著作権)


  契約終了後のデジタルコンテンツの利用


  電子出版物の再配信の義務


  オンラインゲーム内のアイテムの権利


Ⅳ 国境を越えた取引等に関する論点


1 事業者間取引についての国際裁判管轄及び適用される法規


2 消費者と事業者の間の取引についての国際裁判管轄及び適用される法規


3 生産物責任と国際裁判管轄及び適用される法規


4 インターネット上の名誉・信用の毀損と国際裁判管轄及び適用される法規


5 国境を越えた商標権行使


6 外国判決・外国仲裁判断の承認・執行

 

 

 

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当行政書士事務所の契約書雛形の3つの安心

 

その1 逐条解説書が付いているので安心
契約書雛型には、条項ごとの解説文書を付属しているので、解説を参照しながら雛形の修正を行うことができます。

その2 14日間の無償相談期間が安心
契約書雛形と解説書を確認しても判断がつかない問題があった場合には、メールか電話での無償相談に応じます。
(但し、無償相談は契約書雛形の納品日から14日間限定です。)

その3 Webサービスに精通した行政書士だから安心
当サイト運営者の遠山桂はIT関連事業の経験が長く、サイト制作と運営も自前です。
各種Webサービスの契約書作成の経験も豊富で、Web制作技術と契約知識とWebマーケティング経験を活かして契約書を作成しています。


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