契約書の遠山行政書士事務所

岐阜県中津川市蛭川2244-2

3-2 当事者による契約締結行為が存在しないライセンス契約の成立

経済産業省がECサイト運営のガイドラインとする「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」の概要を以下に掲載します。


【論点】
システム会社がソフトウェアをハードウェアにインストールしてユーザー会社に販売する際、ユーザー会社が自らソフトウェアの使用許諾契約を締結する行為を行っていないような場合、当該ユーザー会社にソフトウェアの使用許諾が適用されるのか?

システム会社がソフトウェアをハードウェアにインストールしてユーザー会社に販売するような場合の契約形態としては次のような類型が考えられます。

 

(1) 直接使用許諾契約が締結される場合(直接ライセンス型)
パッケージソフトウェアのライセンス契約については、ソフトウェア会社がシステム会社にソフトウェアを提供する場合、ソフトウェア会社とシステム会社の間の契約には、次のような条項を設けて対応することが多いようです。

 

<ソフトウェア会社とシステム会社の間の契約(α契約)>
「システム会社は、ソフトウェア会社の定める使用許諾契約をユーザーに同意させるものとします。」

このようなソフトウェア会社とシステム会社の間の契約に対応する形で、システム会社がユーザー会社との間で締結する契約には、以下のような条項を設けることが多いようです。

 

<システム会社とユーザー会社の間の契約(β契約)>
「システム会社のシステムに組み込まれている、システム会社が第三者から使用許諾を受けているソフトウェアについては、ユーザー会社は当該第三者の定める使用許諾契約を締結するものとします。」

 

以上のような契約条項を設けることで、ソフトウェア会社とユーザー会社の間でパッケージソフトウェアの使用許諾契約を締結することが一般的とされています。


(2)間接的に使用許諾契約が成立する場合(サブライセンス型)
ソフトウェア会社がシステム会社を通じて間接的にユーザー会社に使用許諾を与える場合があり、次のような契約条項を設けることがあります。

 

<ソフトウェア会社とシステム会社の間の契約(α契約)>
「ソフトウェア会社の定める使用許諾条件に従った使用許諾契約に基づき、(システム会社は)ユーザー会社に対してソフトウェアの使用を許諾することができます。」

この場合、ユーザー会社は、システム会社とユーザー会社間のβ契約の使用許諾条件に拘束されることになります。


問題と考え方

上記のような契約条項が整備されていなかった場合で、ユーザー会社がソフトウェアの使用許諾契約を確認して同意する機会がなかったようなケースでは、ライセンス契約の適用について異議が生じる可能性があります。
ただ、システム会社にソフトウェアのインストール作業の代行をしてもらっていると評価できる場合には、ユーザー会社の代理として画面上に表示された使用許諾の同意ボタンをクリックしたものであるから、ユーザー会社は使用許諾に同意したとみなされるケースもありえます。(黙示的な代理権授与行為)

しかし、そうした黙示的な代理権授与によってライセンス契約が成立したと扱う場合でも、ユーザー会社の思惑とライセンス契約の内容に大きな乖離があった場合には紛争が生じるリスクが残ります。


そのような問題を予防するためにも、以下のような対策が必要といえます。

 

ソフトウェア会社
・「ソフトウェア会社とシステム会社の間の契約条項(α契約)」を整備する。
・直接ライセンス型契約の場合には、ユーザー会社がソフトウェア会社の使用許諾条件を確認できる環境を整備する。

 

システム会社
・ユーザー会社に提供するシステムに組み込まれるソフトウェアについては、その使用許諾条件をあらかじめ確認する。
・ソフトウェア会社とユーザー会社間の紐付けが可能となるよう、使用許諾契約の締結が必要と思われるソフトウェアの存在を念頭におき、「システム会社とユーザー会社の間の契約条項(β契約)」を整備する。
・ユーザー会社に対して、ソフトウェア会社の使用許諾条件を提供する等、ソフトウェアの使用許諾条件を理解してもらうように努める。

 

ユーザー会社
・自ら導入するシステムに含まれるソフトウェアの使用許諾契約の各条項を事前に確認する。

「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」(要約)の目次

「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」の改訂経緯

(このガイドラインの意義など)

 

Ⅰ 電子商取引に関する論点


1 オンライン契約の申込みと承諾


  消費者の操作ミスによる錯誤について


  未成年者の意思表示(取消)


2 オンライン契約の内容


3 なりすまし


4 未成年による意思表示


5 インターネット通販における返品


6 ネットショッピングモール運営者の責任


7 インターネット・オークション


8 インターネット上で行われる懸賞企画の取扱い


9 共同購入クーポンをめぐる法律問題について

 

Ⅱ インターネット上の情報の掲示・利用等に関する論点

 

1 CGM(ConsumerGeneratedMedia)サービス提供事業者の違法情報媒介責任


2 他人のホームページにリンクを張る場合の法律上の問題


3 P2Pファイル共有ソフトウェアの提供


4 ウェブ上の広告


5 ドメイン名の不正取得等


6 インターネット上への商品情報の掲示と商標権侵害


7 ID・パスワード等のインターネット上での提供


8 インターネットを通じた個人情報の取得


9 肖像の写り込み


10 インターネットと著作権

 

Ⅲ 情報財の取引等に関する論点


1 ライセンス契約の成立とユーザーの返品等の可否


2 当事者による契約締結行為が存在しないライセンス契約の成立


3 ライセンス契約中の不当条項


4 ライセンス契約の終了


5 ベンダーが負うプログラムの担保責任


6 SaaS・ASPのためのSLA(ServiceLevelAgreement)


7 ソフトウェアの使用許諾が及ぶ人的範囲


8 ユーザーの知的財産権譲受人への対抗


9 ソフトウェア特許権の行使と権利濫用


10 使用機能、使用期間が制限されたソフトウェアの制限の解除方法を提供した場合の責任


11 データベースから取り出された情報・データの扱い


12 デジタルコンテンツのインターネット提供の法律問題(著作権)


  契約終了後のデジタルコンテンツの利用


  電子出版物の再配信の義務


  オンラインゲーム内のアイテムの権利


Ⅳ 国境を越えた取引等に関する論点


1 事業者間取引についての国際裁判管轄及び適用される法規


2 消費者と事業者の間の取引についての国際裁判管轄及び適用される法規


3 生産物責任と国際裁判管轄及び適用される法規


4 インターネット上の名誉・信用の毀損と国際裁判管轄及び適用される法規


5 国境を越えた商標権行使


6 外国判決・外国仲裁判断の承認・執行

 

 

 

契約書雛形の価格は料金のページをご参照下さい

 

 

 

当行政書士事務所の契約書雛形の3つの安心

 

その1 逐条解説書が付いているので安心
契約書雛型には、条項ごとの解説文書を付属しているので、解説を参照しながら雛形の修正を行うことができます。

その2 14日間の無償相談期間が安心
契約書雛形と解説書を確認しても判断がつかない問題があった場合には、メールか電話での無償相談に応じます。
(但し、無償相談は契約書雛形の納品日から14日間限定です。)

その3 Webサービスに精通した行政書士だから安心
当サイト運営者の遠山桂はIT関連事業の経験が長く、サイト制作と運営も自前です。
各種Webサービスの契約書作成の経験も豊富で、Web制作技術と契約知識とWebマーケティング経験を活かして契約書を作成しています。


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