契約書の遠山行政書士事務所

岐阜県中津川市蛭川2244-2

3-1 ライセンス契約の成立とユーザーの返品等の可否

経済産業省がECサイト運営のガイドラインとする「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」の概要を以下に掲載します。


【論点】
媒体型のパッケージ・ソフトウェアを販売店から購入する場合、代金支払い後に初めてライセンス契約内容を見ることが可能となることが多く、ライセンス契約内容に同意できない場合に返品・返金ができないかが問題となっている。その際、(1)シュリンクラップ契約又は(2)クリックオン契約のいずれかの方法によってライセンス契約の締結が求められることが多いが、果たしてどのような場合に返品・返金が可能か?

DVD-ROM等の媒体で提供されるパッケージ・ソフトウェアを販売店経由で流通させる場合には、(a)情報財の複製物の売買契約と解されるケースと(b)販売店がユーザーに対してライセンス契約を締結することができる地位及び媒体等の有体物を引き渡すことを内容とする契約(提供契約)のケースがあります。

 

前者の場合には、ライセンス契約は存在せず、ユーザーは著作権法の範囲内で該当ソフトウェアを自由に使用することができます。この場合の返品については民法の定めに従うことになります。(契約解除には債務不履行や不法行為などの理由が必要です。)

 

後者の場合には、ユーザーは販売店との間で提供契約を締結し、次に製品開発をしたベンダーとの間でソフトウェアの使用を許諾するライセンス契約を締結するという2つの契約を締結することになります。つまり、ユーザーは返品等についてもライセンス契約の規定に拘束されることになります。

 

この提供契約型のライセンス契約では、この契約への合意を得る手続として、シュリンクラップ契約とクリックオン契約の手法がよく用いられています。

 

(1)シュリンクラップ契約
ユーザーが媒体の封(フィルムラップやシール等)の開封の前にライセンス契約の内容を確認し、契約締結の意思をもって媒体の封を開封した時点で、ライセンス契約が成立するとされ、開封以後にはライセンス契約への不同意を根拠とした返品は認められません。

 

(2)クリックオン契約
ユーザーがソフトウェアのインストール時に「(ライセンス契約に)同意する」というボタンをクリックする以前に、画面上に表示されたライセンス契約の内容を認識し、契約締結の意思をもってクリックした時点でライセンス契約が成立したとされ、以後はライセンス契約への不同意を根拠とした返品は認められません。

 

ライセンス契約の内容が、シュリンクラップ契約の場合は開封前に、クリックオン契約の場合はインストール前に、わかりやすく表示されてユーザーが確認できるようになっている場合には、開封や同意ボタンをクリックした時点で契約成立となり、以後はユーザーはライセンス契約の規定の拘束を受けることになります。この契約成立後には返品や返金はできないものとされます。

 

しかし、ライセンス契約の内容が、開封前に確認できない場合(シュリンクラップ契約)や、同意ボタンのクリック後に初めてユーザーが契約内容を確認できるような場合(クリックオン契約)は、ユーザーはライセンス契約への同意をしていないと解され、事後的に契約内容の不同意を理由とした返品や返金の問題が生じる可能性があります。

「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」(要約)の目次

「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」の改訂経緯

(このガイドラインの意義など)

 

Ⅰ 電子商取引に関する論点


1 オンライン契約の申込みと承諾


  消費者の操作ミスによる錯誤について


  未成年者の意思表示(取消)


2 オンライン契約の内容


3 なりすまし


4 未成年による意思表示


5 インターネット通販における返品


6 ネットショッピングモール運営者の責任


7 インターネット・オークション


8 インターネット上で行われる懸賞企画の取扱い


9 共同購入クーポンをめぐる法律問題について

 

Ⅱ インターネット上の情報の掲示・利用等に関する論点

 

1 CGM(ConsumerGeneratedMedia)サービス提供事業者の違法情報媒介責任


2 他人のホームページにリンクを張る場合の法律上の問題


3 P2Pファイル共有ソフトウェアの提供


4 ウェブ上の広告


5 ドメイン名の不正取得等


6 インターネット上への商品情報の掲示と商標権侵害


7 ID・パスワード等のインターネット上での提供


8 インターネットを通じた個人情報の取得


9 肖像の写り込み


10 インターネットと著作権

 

Ⅲ 情報財の取引等に関する論点


1 ライセンス契約の成立とユーザーの返品等の可否


2 当事者による契約締結行為が存在しないライセンス契約の成立


3 ライセンス契約中の不当条項


4 ライセンス契約の終了


5 ベンダーが負うプログラムの担保責任


6 SaaS・ASPのためのSLA(ServiceLevelAgreement)


7 ソフトウェアの使用許諾が及ぶ人的範囲


8 ユーザーの知的財産権譲受人への対抗


9 ソフトウェア特許権の行使と権利濫用


10 使用機能、使用期間が制限されたソフトウェアの制限の解除方法を提供した場合の責任


11 データベースから取り出された情報・データの扱い


12 デジタルコンテンツのインターネット提供の法律問題(著作権)


  契約終了後のデジタルコンテンツの利用


  電子出版物の再配信の義務


  オンラインゲーム内のアイテムの権利


Ⅳ 国境を越えた取引等に関する論点


1 事業者間取引についての国際裁判管轄及び適用される法規


2 消費者と事業者の間の取引についての国際裁判管轄及び適用される法規


3 生産物責任と国際裁判管轄及び適用される法規


4 インターネット上の名誉・信用の毀損と国際裁判管轄及び適用される法規


5 国境を越えた商標権行使


6 外国判決・外国仲裁判断の承認・執行

 

 

 

契約書雛形の価格は料金のページをご参照下さい

 

 

 

当行政書士事務所の契約書雛形の3つの安心

 

その1 逐条解説書が付いているので安心
契約書雛型には、条項ごとの解説文書を付属しているので、解説を参照しながら雛形の修正を行うことができます。

その2 14日間の無償相談期間が安心
契約書雛形と解説書を確認しても判断がつかない問題があった場合には、メールか電話での無償相談に応じます。
(但し、無償相談は契約書雛形の納品日から14日間限定です。)

その3 Webサービスに精通した行政書士だから安心
当サイト運営者の遠山桂はIT関連事業の経験が長く、サイト制作と運営も自前です。
各種Webサービスの契約書作成の経験も豊富で、Web制作技術と契約知識とWebマーケティング経験を活かして契約書を作成しています。


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