契約書の遠山行政書士事務所

岐阜県中津川市蛭川2244-2

3-5 ベンダーが負うプログラムの担保責任

経済産業省がECサイト運営のガイドラインとする「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」の概要を以下に掲載します。


【論点】
プログラムにバグがあったため、動作上の不具合が生じたときに、ベンダーはユーザーに対していかなる責任を負うのか?

プログラムのバグに関するベンダーの担保責任は、基本的にはソフトウェア・ライセンス契約の内容に服することになります。

ベンダーとユーザーがどちらも事業者の場合は、BtoB型の商行為の取引となるので、ソフトウェア・ライセンス契約の特約が優先適用されます。

しかし、ユーザーが一般消費者の場合はBtoC型の消費者契約となるため、消費者契約法の第8条~10条により、民法等と比較して消費者が一方的に不利になる(ソフトウェア・ライセンス契約の)特約は無効とされる場合があります。
例えば、瑕疵担保責任はバグの発見から1年間(民法第566条3項)、債務不履行責任は債務の履行を請求できるときから5年間(商法第522条)とされていますが、これと比較して著しく消費者に不利となる特約の内容は無効と判断される可能性があります。

 

ライセンス契約のバグの担保責任に関する特約が定めてなかったり、特約が無効とされるケースでは、民法によってベンダーの担保責任を考えることになります。

民法上では、瑕疵(バグ)のあるプログラムを提供したベンダーには問題を解決する責任が生じ、瑕疵担保責任か債務不履行責任(民法第415条)のいずれかが問われます。
なお、瑕疵担保責任には売買の場合(民法第570条)と請負の場合(民法第634条)で参照する条文が異なります。

 

<瑕疵担保責任が適用される場合>
ユーザーはベンダーに対して、ア)契約解除、イ)損害賠償、ウ)瑕疵修補請求のいずれかを請求することができます。
しかし、契約解除は契約目的が達することができないときに限定されます。また、損害賠償請求についても、ソフトウェアは修正プログラム等で修正することが容易であるという特徴があり、そのような状態においてベンダーの修補対策を拒んで損害賠償請求を行うことは信義則上も認められません。
よって、バグの瑕疵担保責任については、ベンダーによる修正プログラムのリリース等の瑕疵修補の対策が優先されます。

 

<債務不履行責任が適用される場合>
ユーザーはベンダーに対して、ア)契約解除、イ)損害賠償、ウ)完全履行のいずれかを請求することができます。
契約解除については、ベンダーに対して相当の期間を定めて催告し、これに対してベンダーがその期間内にプログラムの修補もしくは代物提供をした場合には、契約解除は出来ないとされています。
損害賠償については、前述のように修正プログラム等で修正することが容易であるという特徴があり、そのような状態においてベンダーの修補対策を拒んで損害賠償請求を行うことは信義則上も認められません。
完全履行については、民法第415条から修補請求もしくは代物請求が可能とされています。
よって、バグの債務不履行責任については、ベンダーへの修補請求もしくは代物請求が優先されます。

「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」(要約)の目次

「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」の改訂経緯

(このガイドラインの意義など)

 

Ⅰ 電子商取引に関する論点


1 オンライン契約の申込みと承諾


  消費者の操作ミスによる錯誤について


  未成年者の意思表示(取消)


2 オンライン契約の内容


3 なりすまし


4 未成年による意思表示


5 インターネット通販における返品


6 ネットショッピングモール運営者の責任


7 インターネット・オークション


8 インターネット上で行われる懸賞企画の取扱い


9 共同購入クーポンをめぐる法律問題について

 

Ⅱ インターネット上の情報の掲示・利用等に関する論点

 

1 CGM(ConsumerGeneratedMedia)サービス提供事業者の違法情報媒介責任


2 他人のホームページにリンクを張る場合の法律上の問題


3 P2Pファイル共有ソフトウェアの提供


4 ウェブ上の広告


5 ドメイン名の不正取得等


6 インターネット上への商品情報の掲示と商標権侵害


7 ID・パスワード等のインターネット上での提供


8 インターネットを通じた個人情報の取得


9 肖像の写り込み


10 インターネットと著作権

 

Ⅲ 情報財の取引等に関する論点


1 ライセンス契約の成立とユーザーの返品等の可否


2 当事者による契約締結行為が存在しないライセンス契約の成立


3 ライセンス契約中の不当条項


4 ライセンス契約の終了


5 ベンダーが負うプログラムの担保責任


6 SaaS・ASPのためのSLA(ServiceLevelAgreement)


7 ソフトウェアの使用許諾が及ぶ人的範囲


8 ユーザーの知的財産権譲受人への対抗


9 ソフトウェア特許権の行使と権利濫用


10 使用機能、使用期間が制限されたソフトウェアの制限の解除方法を提供した場合の責任


11 データベースから取り出された情報・データの扱い


12 デジタルコンテンツのインターネット提供の法律問題(著作権)


  契約終了後のデジタルコンテンツの利用


  電子出版物の再配信の義務


  オンラインゲーム内のアイテムの権利


Ⅳ 国境を越えた取引等に関する論点


1 事業者間取引についての国際裁判管轄及び適用される法規


2 消費者と事業者の間の取引についての国際裁判管轄及び適用される法規


3 生産物責任と国際裁判管轄及び適用される法規


4 インターネット上の名誉・信用の毀損と国際裁判管轄及び適用される法規


5 国境を越えた商標権行使


6 外国判決・外国仲裁判断の承認・執行

 

 

 

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当行政書士事務所の契約書雛形の3つの安心

 

その1 逐条解説書が付いているので安心
契約書雛型には、条項ごとの解説文書を付属しているので、解説を参照しながら雛形の修正を行うことができます。

その2 14日間の無償相談期間が安心
契約書雛形と解説書を確認しても判断がつかない問題があった場合には、メールか電話での無償相談に応じます。
(但し、無償相談は契約書雛形の納品日から14日間限定です。)

その3 Webサービスに精通した行政書士だから安心
当サイト運営者の遠山桂はIT関連事業の経験が長く、サイト制作と運営も自前です。
各種Webサービスの契約書作成の経験も豊富で、Web制作技術と契約知識とWebマーケティング経験を活かして契約書を作成しています。


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