契約書の遠山行政書士事務所

岐阜県中津川市蛭川2244-2

3-11 データベースから取り出された情報・データの扱い

経済産業省がECサイト運営のガイドラインとする「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」の概要を以下に掲載します。


【論点】
インターネット等のオンラインやCD-ROM等のパッケージによって提供されたデータベースから情報やデータを取り出して、これを第三者に提供するなどの利用行為について、何らかの法的な制限があるか?

ここでのデータベースとは、(ア)特定のテーマに基づいて、データを体系的に整理又は整理のつく状態で保存し、(イ)データの集まりの中から必要なものだけを指定して、情報としての部分データとして取り出せ、(ウ)コンピュータ機能を備えている情報端末機器で検索可能な形態になっているものを指します。

データベースから取り出された個々の情報・データ自体に著作物性が認められる場合、それぞれが著作物として保護されます。著作物とは、「思想又は感情を創作的に表現したもの であって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの(著作権法第2条1項1号)」とされています。

 

データベースに著作物性が認められる場合には、権利者の許諾無く個々のデータを利用する行為(複製、譲渡、公衆送信又は公衆送信可能化等)は著作権侵害となり、損害賠償責任(民法第709条)、差止請求(著作権法第112条)、刑事責任(著作権法第119条)の可能性があります。
ただし、複製が私的使用目的の場合は著作権侵害には該当しません(著作権法第30条1項)。

 

データベースから取り出された個々の情報・データが、例えば、電車の時刻、山の名前と標高、株価データ等の単なる事実である場合は、著作物に該当せず、原則として自由に利用することができます。
ただし、多数のデータがある程度まとまって取り出されたケースであって、(1)創作性を有するデータベースから取り出されたデータ集合体に創作性が再現されている場合と、(2)元のデータベースに創作性が認められないものの、取り出されたデータ集合体が元のデータベースの営業活動を侵害する場合は、法的な制限を受けることがあります。

 

(1)創作性を有するデータベースから取り出されたデータ集合体に創作性が再現されている場合
著作権法は、データベースのうち、論文、数値、図形、その他情報の集合物であって、それらの情報を電子計算機を用いて検索できるように体系的に構成したものであって、その情報の選択又は体系的な構成によって創作性を有するものを著作物として保護しています(著作権法第2条1項10号、第12条の2)。
例えば、NTTタウンページのデータベースは職業分類体系によって分類されており、創作性があるとされた判例が存在します(東京地裁平成12年3月17日判決・判時1714号128頁)。

 

(2)元のデータベースに創作性が認められないものの、取り出されたデータ集合体が元のデータベースの営業活動を侵害する場合
創作性を有しないデータベースからデータ集合体を作成した場合について、(a)元のデーターベースが相当の資本を投下して作成されたなど経済的価値を有するものであり、(b)営業活動に用いられている場合であって、(c)当該データ集合体を販売する等の行為が元のデータベースの営業活動を侵害する場合には、不法行為として損害賠償責任を負うものと解せられています。
ただし、この場合でもデータ集合体の複製等の行為については、差止請求は認められないと解せられています(東京地裁平成14年3月28日判決判タ1104号)。

 

また、データベース提供者とユーザーの間でデータベース利用条件についての契約が成立している場合、ユーザーの契約外での利用行為については債務不履行責任(民法第415条)を追及できるものと考えられます。

「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」(要約)の目次

「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」の改訂経緯

(このガイドラインの意義など)

 

Ⅰ 電子商取引に関する論点


1 オンライン契約の申込みと承諾


  消費者の操作ミスによる錯誤について


  未成年者の意思表示(取消)


2 オンライン契約の内容


3 なりすまし


4 未成年による意思表示


5 インターネット通販における返品


6 ネットショッピングモール運営者の責任


7 インターネット・オークション


8 インターネット上で行われる懸賞企画の取扱い


9 共同購入クーポンをめぐる法律問題について

 

Ⅱ インターネット上の情報の掲示・利用等に関する論点

 

1 CGM(ConsumerGeneratedMedia)サービス提供事業者の違法情報媒介責任


2 他人のホームページにリンクを張る場合の法律上の問題


3 P2Pファイル共有ソフトウェアの提供


4 ウェブ上の広告


5 ドメイン名の不正取得等


6 インターネット上への商品情報の掲示と商標権侵害


7 ID・パスワード等のインターネット上での提供


8 インターネットを通じた個人情報の取得


9 肖像の写り込み


10 インターネットと著作権

 

Ⅲ 情報財の取引等に関する論点


1 ライセンス契約の成立とユーザーの返品等の可否


2 当事者による契約締結行為が存在しないライセンス契約の成立


3 ライセンス契約中の不当条項


4 ライセンス契約の終了


5 ベンダーが負うプログラムの担保責任


6 SaaS・ASPのためのSLA(ServiceLevelAgreement)


7 ソフトウェアの使用許諾が及ぶ人的範囲


8 ユーザーの知的財産権譲受人への対抗


9 ソフトウェア特許権の行使と権利濫用


10 使用機能、使用期間が制限されたソフトウェアの制限の解除方法を提供した場合の責任


11 データベースから取り出された情報・データの扱い


12 デジタルコンテンツのインターネット提供の法律問題(著作権)


  契約終了後のデジタルコンテンツの利用


  電子出版物の再配信の義務


  オンラインゲーム内のアイテムの権利


Ⅳ 国境を越えた取引等に関する論点


1 事業者間取引についての国際裁判管轄及び適用される法規


2 消費者と事業者の間の取引についての国際裁判管轄及び適用される法規


3 生産物責任と国際裁判管轄及び適用される法規


4 インターネット上の名誉・信用の毀損と国際裁判管轄及び適用される法規


5 国境を越えた商標権行使


6 外国判決・外国仲裁判断の承認・執行

 

 

 

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当行政書士事務所の契約書雛形の3つの安心

 

その1 逐条解説書が付いているので安心
契約書雛型には、条項ごとの解説文書を付属しているので、解説を参照しながら雛形の修正を行うことができます。

その2 14日間の無償相談期間が安心
契約書雛形と解説書を確認しても判断がつかない問題があった場合には、メールか電話での無償相談に応じます。
(但し、無償相談は契約書雛形の納品日から14日間限定です。)

その3 Webサービスに精通した行政書士だから安心
当サイト運営者の遠山桂はIT関連事業の経験が長く、サイト制作と運営も自前です。
各種Webサービスの契約書作成の経験も豊富で、Web制作技術と契約知識とWebマーケティング経験を活かして契約書を作成しています。


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