経理、営業、顧客管理などの業務用アプリケーションをインターネット経由のクラウド型で提供するWEBサービスが増えています。
このようなクラウド型サービスはサーバーで一括管理が出来るため、アプリケーション更新やメンテナンスが容易になるメリットがあります。
こうしたクラウド型のWEBサービスを提供する事業者が加盟店を募集して、その加盟店が自社の顧客にWEBサービスを提供する形式を採り、加盟店は顧客から収益を上げ、加盟店がWEBサービス提供事業者にサービス利用料を継続的に支払うビジネスモデルについての契約書雛形を販売しております。
なお、こうしたWEBサービスの事業については、WEBサービス運営事業者(または加盟店)と顧客の間の利用規約も必要となります。こうしたケースでの利用規約については、当事務所では下記の雛形も販売しておりますので、あわせてご参照下さい。
以下にWEBサービス加盟店契約書雛形の概要を記載します。
(この契約書雛形は全31条、A4用紙9枚分の構成となっております。)
なお、製品版の契約書雛型には、全条文についての逐条解説書も付属しております。
本契約の適用および変更
本サービスの提供については、WEBサービス運営事業者と加盟店との取引であることを確認し、本契約書を基本としたうえで契約内容の追加や変更がある場合は、覚書を交わすことで対応することを確認します。
また、WEBサービス運営事業者が本サービスのエンドユーザーである利用顧客が遵守するべき利用規約を別途定めることも明示します。
サービス内容
WEBサービス運営事業者は加盟店の委託を請けて本サービスの各種機能の提供を行うものであることを確認しています。そのサービス提供を通じて、加盟店は利用顧客から収益を上げることが可能となります。
(加盟店が顧客サービスの一環として本サービスを利用し、利用顧客から料金を徴収しない場合は文言を一部削除して対応可能です。)
申込方法
WEBサービス運営事業者が用意する書類に必要事項を記入することで本サービスの申込を受付することを確認します。
契約期間
契約の開始は本契約の締結日と定め、その日から1年間の自動更新の契約とします。
利用料金
本サービスについての初期費用と月度ごとに発生する月度利用料の表示を行います。
また、月度利用料金の毎月の締日と支払い日も指定するようにします。
例えば、利用顧客の登録数によって月度利用料金の金額を変えるライセンス制を採用する場合は、登録数と料金の一覧を表示して対応します。
延滞料
加盟店が利用料金の支払を遅延した場合には、年利14.5%の遅延損害金を請求できることを明示し、遅延の予防を図ります。
サポート体制
サービスの導入時と導入後のサポート体制を明示します。
ユーザーサポートの受付体制を具体的に表示します。
利用顧客の獲得支援
WEBサービス運営事業者による利用顧客獲得のための支援内容を明示します。
運営サイトのSEOやインターネット広告等の告知施策を継続的に行うことや、販促支援に用いるバナー等の電子データの提供などを想定しています。
中途解約
加盟店側から中途解約をする場合には、毎月の所定日までに解約の届出をすることを確認します。
サービス提供の停止
加盟店が料金の未払い等の契約違反をした場合には、WEBサービス運営事業者はサービスの停止をすることができます。その場合には、加盟店に損害が生じてもWEBサービス運営事業者は責任を負いません。
サービス提供の中断
設備保守やメンテナンスのためにサービス提供の中断をすることがあることを確認します。
禁止事項
著作権侵害や権利の無断譲渡など加盟店の禁止行為を定めています。
アカウントとデータの管理
加盟店の管理用アカウントの第三者への貸し出しを禁じ、ID・パスワードは加盟店が適正に管理することを求めます。
責任の制限
加盟店が本サービスの利用を通じて損害を被った場合に、WEBサービス運営事業者の責任が免除される事項を定めます。
また、加盟店が利用顧客との間でトラブルを抱えた場合に、WEBサービス運営事業者は取次ぎは行うものの、問題解決の責任は負わないことも明示します。
障害対応
電話および電子メールによる障害対応窓口の設置を定めます。
守秘義務
WEBサービス運営事業者はサービスの運営を通じて知った利用者の情報について守秘義務を負います。
権利の質入及び譲渡
無断で本サービスの権利を移転することを禁止します。
契約違反
契約当事者の一方が契約違反をしたときは、その相手方より契約解除をすることができます。
損害賠償
相手方の債務不履行で契約解除となり損害が生じるケースでは、損害を被った側がその損害賠償請求をできることを確認します。
本雛形の概要は以上です。