契約書の遠山行政書士事務所

岐阜県中津川市蛭川2244-2

3-12 オンラインゲームにおけるゲーム内アイテムに関する権利関係

経済産業省がECサイト運営のガイドラインとする「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」の概要を以下に掲載します。


【論点】
オンラインゲームにおけるゲーム内アイテム(以下、アイテムという。)の権利関係についてどのように考えられるか。


(例)
1  アイテムに所有権が認められるか。
2  ユーザーは、事業者に対してアイテムに関して何の権利も有しないか。
3  ユーザーが有償でアイテムを取得した直後にサービスが終了した場合には、ユーザーは、事業者に対して、損害賠償を請求することができるか。
4  事業者のシステムの不具合によりユーザーが有償で取得したアイテムが消滅した場合には、ユーザーは、事業者に対して、損害賠償を請求することができるか。

オンラインゲームにおけるゲーム内アイテム(以下、「アイテム」という。)には所有権は認められていません。
なぜなら、法律用語としての「所有権」とは、物に対する権利であり、有体物(動産、不動産)についてのみ認められる権利とされています(民法第206条、同法第85条)。
したがって、オンラインゲームにおけるアイテムはゲーム上の情報にすぎず、有体物ではないため、アイテムについてユーザーの所有権が認められることはありません。

 

アイテムの利用については、事業者とユーザーとの間に成立した契約の解釈によっては、ユーザーが事業者に対して一定の権利・法的保護に値する利益を主張し得る可能性があります。
ユーザーが有償でアイテムを取得した直後にサービスが終了した場合には、事業者の事前の告知の状況、ゲームにおけるアイテムの位置付け等により、債務不履行に基づく損害賠償が認められることがあり得ます。

また、事業者のシステムの不具合によりユーザーが有償で取得したアイテムが消滅した場合には、オンラインゲームのサービス提供においてシステムに不具合が生じることは不可避であるともいえるから、不具合が生じたからといって直ちに事業者に当該有償アイテムの消滅に係る義務・責任が生じるということにはなりません。
ただし、事業者が故意又は重過失によりシステムの不具合を生じさせたような場合には、損害賠償の免責規定がある場合でも、事業者が当該有償アイテムの消滅についての損害賠償責任を負うことが考えられます。

「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」(要約)の目次

「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」の改訂経緯

(このガイドラインの意義など)

 

Ⅰ 電子商取引に関する論点


1 オンライン契約の申込みと承諾


  消費者の操作ミスによる錯誤について


  未成年者の意思表示(取消)


2 オンライン契約の内容


3 なりすまし


4 未成年による意思表示


5 インターネット通販における返品


6 ネットショッピングモール運営者の責任


7 インターネット・オークション


8 インターネット上で行われる懸賞企画の取扱い


9 共同購入クーポンをめぐる法律問題について

 

Ⅱ インターネット上の情報の掲示・利用等に関する論点

 

1 CGM(ConsumerGeneratedMedia)サービス提供事業者の違法情報媒介責任


2 他人のホームページにリンクを張る場合の法律上の問題


3 P2Pファイル共有ソフトウェアの提供


4 ウェブ上の広告


5 ドメイン名の不正取得等


6 インターネット上への商品情報の掲示と商標権侵害


7 ID・パスワード等のインターネット上での提供


8 インターネットを通じた個人情報の取得


9 肖像の写り込み


10 インターネットと著作権

 

Ⅲ 情報財の取引等に関する論点


1 ライセンス契約の成立とユーザーの返品等の可否


2 当事者による契約締結行為が存在しないライセンス契約の成立


3 ライセンス契約中の不当条項


4 ライセンス契約の終了


5 ベンダーが負うプログラムの担保責任


6 SaaS・ASPのためのSLA(ServiceLevelAgreement)


7 ソフトウェアの使用許諾が及ぶ人的範囲


8 ユーザーの知的財産権譲受人への対抗


9 ソフトウェア特許権の行使と権利濫用


10 使用機能、使用期間が制限されたソフトウェアの制限の解除方法を提供した場合の責任


11 データベースから取り出された情報・データの扱い


12 デジタルコンテンツのインターネット提供の法律問題(著作権)


  契約終了後のデジタルコンテンツの利用


  電子出版物の再配信の義務


  オンラインゲーム内のアイテムの権利


Ⅳ 国境を越えた取引等に関する論点


1 事業者間取引についての国際裁判管轄及び適用される法規


2 消費者と事業者の間の取引についての国際裁判管轄及び適用される法規


3 生産物責任と国際裁判管轄及び適用される法規


4 インターネット上の名誉・信用の毀損と国際裁判管轄及び適用される法規


5 国境を越えた商標権行使


6 外国判決・外国仲裁判断の承認・執行

 

 

 

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当行政書士事務所の契約書雛形の3つの安心

 

その1 逐条解説書が付いているので安心
契約書雛型には、条項ごとの解説文書を付属しているので、解説を参照しながら雛形の修正を行うことができます。

その2 14日間の無償相談期間が安心
契約書雛形と解説書を確認しても判断がつかない問題があった場合には、メールか電話での無償相談に応じます。
(但し、無償相談は契約書雛形の納品日から14日間限定です。)

その3 Webサービスに精通した行政書士だから安心
当サイト運営者の遠山桂はIT関連事業の経験が長く、サイト制作と運営も自前です。
各種Webサービスの契約書作成の経験も豊富で、Web制作技術と契約知識とWebマーケティング経験を活かして契約書を作成しています。



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