契約書の遠山行政書士事務所

岐阜県中津川市蛭川2244-2

2-7 ID・パスワード等のインターネット上での提供

経済産業省がECサイト運営のガイドラインとする「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」の概要を以下に掲載します。


【論点】
デジタル・コンテンツやプログラムに対するアクセスやコピー(インストール)のためのID・パスワード等をインターネット・オークションに出品することや、インターネット上の掲示板で開示することに対して、どのような制限があるか?

各種プログラムや動画など、デジタルコンテンツの実行や視聴について対価を支払ったユーザーに限定して公開するために、IDやパスワードを発行して利用に制限をかけるビジネスモデルが広く普及しています。
このIDやパスワードを第三者に販売したり、インターネット掲示板に開示する行為には、契約上の債務不履行、不正アクセス禁止法、著作権法、一般不法行為などの問題が生じる可能性が高くなります。

 

(1)契約上の債務不履行
コンテンツの利用規約等において、提供者とユーザーの間でIDやパスワードを第三者に提供しないことを確認する条項を設けている場合は、これに違反したユーザーは契約上の債務不履行責任(民法第415条)を負うことになります。

 

(2)不正アクセス禁止法
業務など正当な理由がある場合を除いて、ID・パスワードを発行されている利用権者以外にID・パスワードを提供する行為は、不正アクセスを助長する行為として禁止、処罰の対象となります。(不正アクセス禁止法第5条、第12条2号、第13条)。
ただし、同法の適用には、ID・パスワードが個別の利用権者ごとに発行されていることと、その利用権者以外には用いることができないものであること、という2つの要件を満たす必要があります。(同一のパスワードを不特定多数に発行しているケースでは、同法の適用は困難になります。)

 

(3)著作権法
正規に入手をしていないID・パスワードを入力してコンテンツをダウンロードする行為は著作権法の複製権を侵害する可能性があります。
また、ID・パスワードをインターネット掲示板などに開示する行為は、複製権侵害の幇助行為とされる可能性もあります。

 

(4)一般不法行為
著作権法などの法律に定められた厳密な意味での権利侵害があった場合に限らず、法的保護に値する利益が違法に侵害された場合であれば民法上の不法行為(民法第709条)が成立し損害賠償の対象となると考えられます。

「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」(要約)の目次

「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」の改訂経緯

(このガイドラインの意義など)

 

Ⅰ 電子商取引に関する論点


1 オンライン契約の申込みと承諾


  消費者の操作ミスによる錯誤について


  未成年者の意思表示(取消)


2 オンライン契約の内容


3 なりすまし


4 未成年による意思表示


5 インターネット通販における返品


6 ネットショッピングモール運営者の責任


7 インターネット・オークション


8 インターネット上で行われる懸賞企画の取扱い


9 共同購入クーポンをめぐる法律問題について

 

Ⅱ インターネット上の情報の掲示・利用等に関する論点

 

1 CGM(ConsumerGeneratedMedia)サービス提供事業者の違法情報媒介責任


2 他人のホームページにリンクを張る場合の法律上の問題


3 P2Pファイル共有ソフトウェアの提供


4 ウェブ上の広告


5 ドメイン名の不正取得等


6 インターネット上への商品情報の掲示と商標権侵害


7 ID・パスワード等のインターネット上での提供


8 インターネットを通じた個人情報の取得


9 肖像の写り込み


10 インターネットと著作権

 

Ⅲ 情報財の取引等に関する論点


1 ライセンス契約の成立とユーザーの返品等の可否


2 当事者による契約締結行為が存在しないライセンス契約の成立


3 ライセンス契約中の不当条項


4 ライセンス契約の終了


5 ベンダーが負うプログラムの担保責任


6 SaaS・ASPのためのSLA(ServiceLevelAgreement)


7 ソフトウェアの使用許諾が及ぶ人的範囲


8 ユーザーの知的財産権譲受人への対抗


9 ソフトウェア特許権の行使と権利濫用


10 使用機能、使用期間が制限されたソフトウェアの制限の解除方法を提供した場合の責任


11 データベースから取り出された情報・データの扱い


12 デジタルコンテンツのインターネット提供の法律問題(著作権)


  契約終了後のデジタルコンテンツの利用


  電子出版物の再配信の義務


  オンラインゲーム内のアイテムの権利


Ⅳ 国境を越えた取引等に関する論点


1 事業者間取引についての国際裁判管轄及び適用される法規


2 消費者と事業者の間の取引についての国際裁判管轄及び適用される法規


3 生産物責任と国際裁判管轄及び適用される法規


4 インターネット上の名誉・信用の毀損と国際裁判管轄及び適用される法規


5 国境を越えた商標権行使


6 外国判決・外国仲裁判断の承認・執行

 

 

 

契約書雛形の価格は料金のページをご参照下さい

 

 

 

当行政書士事務所の契約書雛形の3つの安心

 

その1 逐条解説書が付いているので安心
契約書雛型には、条項ごとの解説文書を付属しているので、解説を参照しながら雛形の修正を行うことができます。

その2 14日間の無償相談期間が安心
契約書雛形と解説書を確認しても判断がつかない問題があった場合には、メールか電話での無償相談に応じます。
(但し、無償相談は契約書雛形の納品日から14日間限定です。)

その3 Webサービスに精通した行政書士だから安心
当サイト運営者の遠山桂はIT関連事業の経験が長く、サイト制作と運営も自前です。
各種Webサービスの契約書作成の経験も豊富で、Web制作技術と契約知識とWebマーケティング経験を活かして契約書を作成しています。



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