契約書の遠山行政書士事務所

岐阜県中津川市蛭川2244-2

2-1 CGM(ConsumerGeneratedMedia)サービス提供事業者の違法情報媒介責任

経済産業省がECサイト運営のガイドラインとする「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」の概要を以下に掲載します。


【論点】
ブログや口コミサイト、動画共有サイトなどのCGM(Consumer Generated Media)サービスにおいて、名誉毀損や著作権侵害など、他人の権利を侵害する疑いがある情報がアップロードされ、これにより権利侵害を受けたとする者からCGMサービスを提供する事業者に対して当該情報を削除する要請があった場合、これを放置または削除したCGMサービス提供事業者は権利侵害を受けたとする者または情報の発信者に対して損害賠償責任を負うか?

CGMサービス事業者のネットワークにアップロードされた情報が誰かの権利を侵害するものとの主張があった場合、CGMサービス事業者がこれを放置すれば、権利侵害をされた者に対する不法行為責任が生じる可能性があります。

 

また、CGMサービス事業者が削除した情報が、実は適法な情報であった場合には、情報発信者に対する契約上の責任や不法行為責任が生じる可能性もあります。

こうしたトラブルの裁判例では、(a)違法な情報の流通を知り得た場合には直ちに削除する義務があるとするものと、(b)権利侵害が明白であるなど例外的事情が無ければ削除義務を負わないと制限的に責任を認めるものと2つに分かれています。

 

前者は匿名掲示板において違法書き込みを助長していた事例などで採用され、通常の中立的事業者では後者の基準の採用がされる見込みが強いとされています。

プロバイダ責任法第3条1項によれば、以下の3つのいずれかの場合でなければ、情報を放置したことによる(CGMサービス事業者の)民事上の責任は負わないとされています。

 

(1)削除が技術的に可能であり、かつ情報の流通によって権利が侵害されていることを知っていた場合。

(2)削除が技術的に可能であり、かつ情報の流通を知っていることに加えて情報の流通による権利侵害を知ることができたと認めるに足りる相当の理由がある場合。

(3)事業者が情報の発信者である場合。

 

※平成27年4月の準則改訂により、以下の2点を追記。

 

(1)児童ポルノ公然陳列罪の成立に関する裁判例(最決平成24 年7 月9 日)について、改訂前に記載されていた高裁裁判に対する上告の棄却決定等を追記。
児童ポルノ画像のURL の一部を片仮名等に改変したものをホームページ上で公表した行為が児童ポルノ公然陳列罪にあたるとされた事件(第1 審:大阪地裁平成21年1月16日判決(判例集未登載)、控訴審:大阪高等裁判所平成21年10月23日判決(判例タイムズ1383 号156 頁)、上告審:最高裁平成24 年7 月9 日決定(判例時報2166 号140 頁))

 

(2)口コミサイトへの情報掲載に関する裁判例(札幌地判平成26 年9 月4 日)について追記。
飲食店等の口コミ情報を掲載するためのサイトを開設すること自体につき、掲載される飲食店等が掲載に反対していたとしても、当該飲食店等の名称についての人格的利益の侵害等に該当せず適法と解釈した裁判例がある(平成26年9月4日札幌地裁判決・裁判所ウェブサイト掲載)。

 

 

以上の追加点から、児童ポルノ画像の公然陳列など不法行為について、それが公開されているURLを改変したものが掲示板等のCGMサービスに掲載された場合に、URLが改変されていたとしてもCGMサービス事業者には不法情報の削除義務が生じるものと解釈するべきでしょう。
また、口コミサイトへの掲載を拒否した飲食店の判例のように、飲食店が掲載に反対をしたとしても、単に店名を掲載しただけであれば人格的利益を侵害したことにならないという判断が示されています。
(ただし、名誉毀損や業務妨害につながる投稿があれば、それらの不法行為を放置することは許されません)。

「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」(要約)の目次

「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」の改訂経緯

(このガイドラインの意義など)

 

Ⅰ 電子商取引に関する論点


1 オンライン契約の申込みと承諾


  消費者の操作ミスによる錯誤について


  未成年者の意思表示(取消)


2 オンライン契約の内容


3 なりすまし


4 未成年による意思表示


5 インターネット通販における返品


6 ネットショッピングモール運営者の責任


7 インターネット・オークション


8 インターネット上で行われる懸賞企画の取扱い


9 共同購入クーポンをめぐる法律問題について

 

Ⅱ インターネット上の情報の掲示・利用等に関する論点

 

1 CGM(ConsumerGeneratedMedia)サービス提供事業者の違法情報媒介責任


2 他人のホームページにリンクを張る場合の法律上の問題


3 P2Pファイル共有ソフトウェアの提供


4 ウェブ上の広告


5 ドメイン名の不正取得等


6 インターネット上への商品情報の掲示と商標権侵害


7 ID・パスワード等のインターネット上での提供


8 インターネットを通じた個人情報の取得


9 肖像の写り込み


10 インターネットと著作権

 

Ⅲ 情報財の取引等に関する論点


1 ライセンス契約の成立とユーザーの返品等の可否


2 当事者による契約締結行為が存在しないライセンス契約の成立


3 ライセンス契約中の不当条項


4 ライセンス契約の終了


5 ベンダーが負うプログラムの担保責任


6 SaaS・ASPのためのSLA(ServiceLevelAgreement)


7 ソフトウェアの使用許諾が及ぶ人的範囲


8 ユーザーの知的財産権譲受人への対抗


9 ソフトウェア特許権の行使と権利濫用


10 使用機能、使用期間が制限されたソフトウェアの制限の解除方法を提供した場合の責任


11 データベースから取り出された情報・データの扱い


12 デジタルコンテンツのインターネット提供の法律問題(著作権)


  契約終了後のデジタルコンテンツの利用


  電子出版物の再配信の義務


  オンラインゲーム内のアイテムの権利


Ⅳ 国境を越えた取引等に関する論点


1 事業者間取引についての国際裁判管轄及び適用される法規


2 消費者と事業者の間の取引についての国際裁判管轄及び適用される法規


3 生産物責任と国際裁判管轄及び適用される法規


4 インターネット上の名誉・信用の毀損と国際裁判管轄及び適用される法規


5 国境を越えた商標権行使


6 外国判決・外国仲裁判断の承認・執行

 

 

 

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当行政書士事務所の契約書雛形の3つの安心

 

その1 逐条解説書が付いているので安心
契約書雛型には、条項ごとの解説文書を付属しているので、解説を参照しながら雛形の修正を行うことができます。

その2 14日間の無償相談期間が安心
契約書雛形と解説書を確認しても判断がつかない問題があった場合には、メールか電話での無償相談に応じます。
(但し、無償相談は契約書雛形の納品日から14日間限定です。)

その3 Webサービスに精通した行政書士だから安心
当サイト運営者の遠山桂はIT関連事業の経験が長く、サイト制作と運営も自前です。
各種Webサービスの契約書作成の経験も豊富で、Web制作技術と契約知識とWebマーケティング経験を活かして契約書を作成しています。


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