従来のWEB制作では、構築するサイトの仕様とその開発費用を事前に定めておき、サイトの引渡しと同時期に固定された金額の報酬を支払うことが多いものでした。
サイトを納品して終わりという業務請負の契約関係では、それが一般的な形といえます。
しかし、WEB制作業は新規参入が容易であることから、制作業者の競争は激化し、新規の制作案件を獲得し続ける営業スタイルでは、制作単価の落ち込みと制作受注数の減少という厳しい状況に追い込まれてしまいます。
新規客や新規案件を獲得するための営業努力は必要ですが、それだけでは十分な仕事量を得ることが難しくなっています。
そこで、取引実績のあるクライアントに対して、サイト・リニューアルの提案や運営代行などの継続的サービスの提案によって、売上の上積みを図ることが必要です。
そうした対策と並行して、新規にサイト構築をする場合には、制作単価の枠が固定されている請負契約ではなく、クライアントとして提携し、リスクを共有しながら、 相互の協力で生み出した利益をあらかじめ決めておいた配分率で分け合うレベニューシェア方式による契約を採用することも検討すべきです。
取引の拡大が見込めないクライアントについては従来型の請負契約によるWEB制作でもよいのですが、魅力的な商材を扱うクライアントについてはレベニューシェア方式の契約にして、制作業者としても営業政策に深く関わって成果を上げ、レベニューシェア報酬を多くもらう形にした方が発注者と制作者の双方にメリットがあります。
サイトの初期制作費の請求は低く抑えつつ、運営代行などの継続的サービスを行って月度ごとに契約料を徴収して最低限の経費を確保し、サイトによって成果が上がれば成功報酬的な意味合いのあるレベニューシェア報酬を得るという契約形態が理想的です。
このような契約形態にすれば、クライアントと制作者の双方がサイトの成果を出すために協力的になり、通常よりも早く事業を軌道に乗せることができる効果が期待できます。
こうした契約については、レベニューシェア方式のWEB制作・システム開発の契約書を用意して取引の活性化を図るとよいでしょう。